ワレン2:狙うものたち

(テニスコート付近)

別のワレン
宿舎の裏手からテニスコートまでに、見た限りでは三つのワレンがある。二つは海沿いの歩道に面した急斜面に、一つはコート前のグランドから始まる遊歩道脇にある。
この辺りは、島の北にある発電所跡地ほど悪くはないものの、宿舎前ほど餌の状況は良く無い。これら三つのワレンも、餌をめぐって競争関係にあり、しばしばワレンの違う兎の間で喧嘩が起こる。


これは宿舎のすぐ裏手にある遺跡。何かの貯蔵設備だろうか。このあたりは宿舎前ワレンとテニスコートワレンの境界である。兎の姿はあまり多く無い。



海沿いの歩道に面した急斜面を見あげると、こうして薮から様子を窺う姿をちらほら見かける。



崖の中腹に巣穴がある。兎の巣穴は複雑で深い構造を持っているものだが、ここの巣穴の中には何匹の兎がいるのだろうか。



穴堀中。後足の間から、土をざんざか撒き散らして掘る。
兎に身体を掘られた事のある人ならお分かりだろうが、兎の掘る力は身体の割にとても強い。前足も一見可愛い格好だが、実はかなり逞しい。



人間が通りかかっても、すぐには下りて来ない。が、餌がありそうだとなれば別である。宿舎前の兎達よりも必死に人間に餌をねだりに下りて来る。



これは最もテニスコート側のワレンにいた雌。これは授乳中らしく、まったく近寄っては来なかった。近づこうとすると、警戒音(後足を地面に打ちつける)を鳴らして威嚇する。



同じ雌の腹部アップ。真っ赤な乳首がいくつか見える。
子兎の姿も見たかったのだが、今回は時間が足りなくて拝む事はできなかった。ちょっと残念である。



同じワレンの子兎。とは言っても既に生後三カ月は経過しているだろうか。もう行動は立派な大人である。子兎は、大人よりも警戒心が強いが、大人になるに従って人間に慣れていくというのは普通の野生動物と逆で、興味深い。



同じワレンの仲間。この場合、右側の兎が上位にあり、左側の兎が服従ポーズしている。



テニスコート脇の桜の下で芝を食べる。



コート脇に掘られた巣穴。

Next Page..「発電所跡」

「毒ガス資料館付近」

大久野島目次

鹿川 伊知郎(Ichiro Shikagawa <shikapon@jiru.com>)
Julius Guilbert Trading Co.