1998年9月30日(水)


昨日久々に快晴だったのを良いことにガレ場に行ったのが災いしたのか、今日も仕事は忙しかった。来月早々又出張しなければならなくなりそうだ。


先週土曜日のナキウサギふぁんくらぶ主催の講演会について。
スミス博士の講演はなかなか面白かった。どちらかと言うと講演というよりは講義といった内容で、結構寝てる人も多かったようだが、これは不思議な事である。寝ていた人って、本当はナキウサギに興味があるんじゃなくて保護活動そのものだけに興味があるんだろうか、なんて邪推?してしまいそうである。活動の為の活動は危険である。あ、いきなり脇道に逸れた。疲れてるなあ。

んで講演内容は主にアメリカ北部のナキウサギと中国のナキウサギの生態比較だった。これは川道先生(大阪市立大学の現助教授、日本のナキウサギ研究の草分け)の本「うさぎのはねて来た道」にも記述してあったが、より詳しい内容のカラースライド付き解説は楽しかった。岩に住むナキウサギと、草原に住むナキウサギの違いは非常に大きく、これらを同一の科に分類するのはちょっと無理な気がシロウトながらにする。


講演のあとは、スミス博士、川道博士を交えたトークだったのだが、本当にただのトークになってしまって残念だった。スミス博士に対して、研究のきっかけとかエピソードとか尋ねていてそれなりに楽しかったのだが、私の期待していたのは保護活動や研究の今後についてのディスカッションだったので、少々がっかり。まあ時間が20分しかなかったのだから仕方のない事かもしれない。せっかく両オーソリティが同席しているのにちょっともったいない気がしたなあ。ふぁんくらぶの活動についての川道先生との討論とかもあっても良かったように思う。


話とは関係ないけど、川道先生の本を買ったら、サインしてくれました。ナキウサギの自筆イラスト付き。結構お茶目な方でありました。


講演会終了後、懇親会があったようなのだが、ちょっと別件で用事があったのと、なんか思いっきり場違いになりそうな気がして、参加はしなかった。ナキウサギふぁんくらぶの活動は応援したいし、出来得る協力もして行きたいけど、直接の参加は出来ないと講演を聞いていて改めて感じた。やはり私は個人で出来る程度のこと、例えばガレ場で餌付けする奴に注意したりとかゴミ掃除とか、そういった活動が向いてるようで、ふぁんくらぶのようにマスコミや法廷まで動員して運動を盛り上げようというやり方には私は馴染めない。だからふぁんくらぶの集まりにも正直余り顔は出したくないと会場では感じたのだった。
勿論ファンクラブのやり方自体は正しい方向にあると思う。何せ相手は政治であり地方のエゴである。マスコミや裁判抜きでは手も足も出ないだろう。それについては陰ながら応援していきたいと思う。でも、もっと現場を守る人間が必要だ。今のままでは、然別のトンネル問題が決着する前に相当数のナキウサギが死んでいくだろう。帯広近郊にもふぁんくらぶ会員は結構いるんじゃないかと思うのだが、今の所ガレ場で「私は会員です」という方には会った事は無い。勿論いちいち尋ねる訳ではないし、話をしない人の方が多いので実際の所は分からないのだが、しかし掃除をしている人は先日のライカのTさん以外には見た事はないのだ。もしふぁんくらぶの人が来ていたとして、やっぱりそれじゃ名前だけの会員なんじゃなかろうか。
もうちょい、地味な事もやりましょうよ、皆さん。


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鹿川 伊知郎(Ichiro Shikagawa <shikapon@jiru.com>)
Julius Guilbert Trading Co.
Memuro, Hokkaido, JAPAN
Last Modified : Sep 30, 1998