1998年9月11日(金)


久しぶりに快晴のガレ場だった。朝8時位までは音更のNさんと二人っきりで、ひっじょーに静かであった...と言いたいのだが、山の麓の自衛隊が実弾演習を始めていて、今日なんか重機関銃の音が「ダダダダダダダダッ」と響きわたり、その合間を縫って野戦砲が「ボーン、ボーン」と破裂音を立てるのである。うーん。


早朝の食事。木登りして葉っぱを狙う。もっと手近にいくらでも美味しそうな葉っぱはあるのだが..謎の行動である。


明け方まだ誰もいない頃のガレ場風景。出て来そうな岩に前もってフレーミングしておくのだが、なかなか思った場所には来てくれない。レンズは400mmだけど、かなり近い所を狙っている。超望遠をマクロレンズ的に使っていて、接写リングを併用する事も結構多い。


10時前頃だろうか、日差しが強い所に出てきて日光浴を始めた個体。最初は暖まった岩に腹をくっつけてヌクヌクする。これはどの個体も良くやる行為だ。

しかしこいつは暖まっているうちに眠くなって来たらしく、だんだん体が横になってきた。レンズとの距離は3mくらいだが、シャッター音も気にならないらしい。

目は開いているが、もう意識はぼんやりとしているようだ。後足が上がってしまっている。まぬけそうである。


岩陰から顔だけ出して人間を伺う子ウサギ。


盲腸糞をする大人。長さ3〜4cmのを二本したのだが、食べなかった。貯蔵しておいて冬に食べるのだろう。


岩陰から姿を見せたネズミ。アカネズミかヒメネズミだと思うが、尻尾の短いのも見かけるのでそれはヒメヤチネズミかもしれない。色も赤っぽいのや栗色っぽいのまでいるので、複数の種類がいそうである。なかなか岩の間から出てこない上に出てきても素早く走っている事が大半なので撮影が難しい。これは出て来そうな場所に置きピンして待ち伏せしたもの。残念ながらピント位置より後ろに出てきてしまった。


午前11時ごろになると、5〜6人のオジサン軍団がやってきて、ナキウサギはすっかり出てこなくなってしまった。だから整髪料プンプンさせて来るのはヤメレってば。平気で金属音立てるのもヤメレ。ベルクロテープを一気にはがすのも止めてくれ。機材自慢会を開きたいなら、他所でやってくれ〜、頼むよ。
もっとも機材自慢については、NさんがEF600mmF4を持ってくるようになって、んでおいらがEF400mmF2.8持ってくようになってから、うろうろ歩き回ってまで声高に自慢して回る奴は少なくなった。どちらも野鳥の世界ではありふれたレンズだが、これが珍しいというのはまだまだナキウサギを撮る人が少ないという事と、鳥と動物のカメラマンがオーバーラップしていないという事だろう。Nさんなんか最初はシグマの小さいズームしか持って来てなかったんで、常連のオジサン連中は結構バカにしてたらしい。最初から大砲持ってく訳ないのにねえ。(いやオジサン方は最初から持ってくる人が多いけど。)靴とか三脚とか設営手際とか見れば腕なんて大体分かるし、初対面の私が見た時でもNさんのそれはちょっとタダモノじゃなかったんだけど、オジサン方は機材の値段だけで人を判断するんだよねえ。なんか見下したように、「何でも教えてやるぞ」みたいなクチきくし。知らないってのは恐いぞう。


そういえば、ここいらでキャノン使ってるのってNさんとおいらの二人くらいだなあ、不思議。オジサン方はまず例外なくニコンで、稀にライカRとかペンタ中版がいる程度。昔は確かにニコンの機材がダントツだったから、使い続けてる人には仕方無いのかな。実は昔はおいらもニコン使ってたから心情的にはニコンの方が好きなんだけど、でもレンズの差は心情では埋まらないもんねえ。


しかしおいら、何だか文句ばっかり言ってるなあ。自分でも嫌だなあ。


Goto Shikapon Home Page

鹿川 伊知郎(Ichiro Shikagawa <shikapon@jiru.com>)
Julius Guilbert Trading Co.
Memuro, Hokkaido, JAPAN
Last Modified : Sep 14, 1998