1998年6月17日(水)


と言う訳で、今日が今年初めての然別である。引っ越したのは4月末だったのだから二ヶ月も過ぎてしまっているのだけど、さすがに引っ越しは仕事に差し支えてしまって、それはもう修羅場の毎日だったのであった。東京その他出張も結構入ったし、何しに北海道来たんだかねえ、な日々はつまらないものであった。

9ヶ月ぶり、登山口は朝6時で気温12度ほど。霧が濃い日ではあったが結構暖かい。登山口をちょっと入るだけでナキウサギのかん高い声が聞こえてきた。初夏のガレ場に器材をセット、待つこと15分ほどで最初の個体が姿を表した。結構デカイ。胴が妙に長い気がする。もっともそう言えばうちのウサギのマックスも胴は長いっけ。


最初に顔を出した個体。朝食の時間は人間とそう変わらない。曇り空が警戒心を呼ぶのかどうか分からないが、良く鳴く。あたり中から鳴き交わす声が聞こえる。晴れているとあまり鳴かないようである。


かなり大人っぽくなってしまっているけど、これは今年の子供のようだ。上の大人の写真と、すぐ下の子供の胴体を比べてみると、下には換毛のあとがない。


ナキウサギがネズミではない事は、餌の食べ方で分かる。齧歯目は前足が器用で、ネズミもリスも手を使って食べる種類が多いが、ナキウサギは手を使わない。更に歯を左右に擦り合わせながら咀嚼していくのも兔特有である。


手を使わない割には、前後とも指がはっきりしている。ウサギ科に比べて足の被毛が少ない。これがタダでさえネズミっぽい外観を更にネズミっぽく見せている。


初夏の緑は彼等にも御馳走のようだ。この個体はあまり警戒心が無いのか、5分くらい外で食事をしていた。


しかし、ガレ場には相変わらずヒマワリやピーナッツの殻が散乱していて、心無い餌付けの跡で一杯だ。更にとんでもない事に、岩の間にはタバコの吸い殻まで、それも複数箇所に捨ててある。いやはや...


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鹿川 伊知郎(Ichiro Shikagawa <shikapon@jiru.com>)
Julius Guilbert Trading Co.
Memuro, Hokkaido, JAPAN
Last Modified : Jun 20, 1998